アクセス LINE INSTAGRAM お問い合わせ
日記

初対面

今日は研修の日。僻地の寺に、遠方から企業の中堅として働く人々が集まってこられる。毎月のこととはいえ、人の集う気配というものは、季節の風のように同じ顔をしていない。だから私は、いつも背筋を伸ばし、初めて迎える日のような心持ちで準備を整える。

環境を整えるのは、いわば舞台の設えである。 しかし、本当に問われるのは「どう接するか」という、人と人とのあいだに生まれる無形の空気であろう。

私は企業経営の専門家でもなく、世情の流れを読み解く力などない。 ただ、仏法に触れ、自分という小さな存在を通して「人間の真実」に触れてきたという一点だけが、彼らと私を分けている。

世の事象を見聞するとき、私は努めて「諸行無常」という古い真理の光をあててみる。 また、人がどれほど美しく装っても、その奥にひそむ「自己中心」という影を見つめようとする。

寺という場所は不思議なもので、こうした話を、飾り気なくそのまま語らせてくれる舞台装置を備えている。

ただし、研修という一幕の芝居がどのような出来になるかは、結局のところ私の肩にかかっている。 そのことを思うと、胸の内にひとつ緊張が走る。 だが、その緊張こそが、人と向き合うという営みを、今日もまた新しいものとして演じさせてくれるのだ。

関連記事