間もなく紅梅の古木が死のうとしている。年々花のつきが減り始め、風雨で小枝が落ち始めてもいた。
キツツキが穴を穿ったことがきっかけになったのか、太い枝が数日前の風で落ちた。あと何年で果てるのだろうかと思うと、私の道連れになることもありそうだ。
ご近所の人たちが集まって、とぎれとぎれの敗戦宣言の放送を聞いていたのは、この木の下だった。授業中、先生から「帰れ!」と叱られて早退し、一人で登っていたのはこの枝だった。
大ぶりで深い桃色の花をたくさん咲かせ、花の終わりに花吹雪きをまき散らすこの木が好きだった。その古木は、やがて朽ちて倒れる。