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日記

身の丈サイズ

年を重ねるというのは、不思議なものである。若いころには背伸びをしてでも遠くを見ようとしたのに、いつの間にか、自分の身の丈というものが、ふっと輪郭を現してくる。望みが小さくなったのではない。むしろ、手の届く範囲にこそ、人生の滋味が潜んでいると気づくようになったのだ。

身の丈に合ったことを、毎日ひとつかふたつ実行する。そんな些細な営みが、案外と心を整えてくれる。たとえば、このブログを書くこともその一つである。題材は、探そうと思えば1日10時間もあればいくつも見つかる。世の中には、こちらが気づかぬだけで、人生の断片がそこかしこに落ちている。

表現にしてもそうだ。新聞をひらけば、美しい言葉が転がっている。本を読めば、知らぬ誰かが、昨日まで知らなかった世界をそっと教えてくれる。人間というのは、毎日、誰かから贈り物を受け取って生きているようだ。その贈り物に気づけるかどうかが、結局は自分の身の丈というものなのだろう。そして、その気づきがまた楽しい。

ただし、身の丈に気づくには、どうやら一つだけ不可欠な条件がある。素直であることだ。年齢を重ねると、妙な意地やこだわりが知らぬ間に増えてくる。だが、それらを脇に置き、現在をそのまま受け取る素直さを持てたとき、人はようやく自分の歩幅で生きられるのかもしれない。

加齢とは、現在を素直に生きるための稽古のようなものだ。そう思えば、今日もまた、身の丈の一日が静かに始まる。

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