「土曜日曜あたりが山でしょう」と医師から聞かされた重病の知人のお見舞いに行った。病名は肝不全。男性の一人暮らしで、犬と一緒に先祖が残した家と土地を管理して暮らしていた。
月曜日に出かける前、「顔を見て会話が出来たらいいが」と思っていたのだが、間に合ったようだ。
病院としてはすでに治療はないらしく、面会に行った日は、治療のための無菌病棟から緩和病棟に移っていた。
「長い面会はご遠慮ください」と注意されていたので、顔を見ながら本人の心配ごとを聞いて、気持ちを安らかにしてもらえたらと思い話しかけた。苦しい息の中で、「家と犬」が心配だといった。
その日の夜息が絶えたということを翌朝報らされた。