昔ながらの、しかしどこか懐かしさを帯びた「ちまき」をいただいた。
初めてお越しになったお客さまが、ご自身の得意な食べ物として、手土産にと持参してくださったのである。約束の日の前日に、85歳になられるご婦人が、おつくりになられたらしい。お住まいの地区では、その方がつくられるちまきはちょっとした名物とか。
早速、包みを解いて口に運んだ。うっすらと塩がきいて、米そのものの甘みを引き立てている。素朴というより、むしろ長い年月を経て磨かれた味わいで絶品であった。
半分をそのままいただき、残りは砂糖醤油につけてみた。甘辛の香りが、幼い日の台所の記憶と重なった。ちまきに託したひとつの物語をいただいたような気がした。