娘と話していたときのことだ。「ポートフォリオ」という言葉が飛び出した。事業内容の構造という意味だ。娘が働いている企業の評価が、10年前の8倍になっているらしい。10年前の事業構造(ポートフォリオ)を、社会の変化に合わせて大胆に組み替えたことが成功したのだ。
話題が変わって、子どもを取り巻く小さなコミュニティのことに移った。 子ども同士の人間関係の背後には、親の価値観や生活の匂いが、影を落としていることが多い。娘は、子どもの世界で起こる摩擦の解決策として、親とのコミュニケーションを増やしたという。
企業が事業を組み替えるように、自らの価値観を組み替えようとしたようだ。 人間が変化する存在であるということは、価値観もまた変わることだ。
経営活動での企業戦略と、子どもたちの小さな社会。 その二つの話題は、まるで別の世界のようでいて、実は同じだ。 人生のポートフォリオとは、結局のところ「いまの自分が、どんな価値を大切にしているか」 という、生活上の表明なのだ。